仕事 / WORK

20代の海外勤務を振り返ってみる【メリット・デメリット】

2019年9月1日

アメリカに赴任してから2年弱、私自身20代最後の歳ということで、多分海外勤務折り返し地点くらいの今の実状を感想を交えて書きとめていこうと思います。

1年くらい前もツラくてツラくて愚痴を書いてました。

良いことも悪いことも(ちょっと多め)色々がギュッと詰まった期間でした。
「平成最後の~」が平成ですらなく、令和になった実感も皆無です。
この記事を読んで、海外で働きたいと思っている学生、直近に控えている会社員、まさに海外で奮闘中の同志にとって、参考?転ばぬ先の杖?励み?になってくれれば幸いです。

英語力

やや向上

2年弱ほぼ毎日英語を話す・聞く状況で、英語:日本語は9:1くらいです。
これだけ英語に浸った生活をしているとさすがにしゃべれるようにはなっていくものですね。
日本語を英語に翻訳して話していたのが、段々英語のまま考えて話すようになってきたと感じます。

でも自己評価としては40点くらい...
どうしても楽をして、使いやすい単語のワンパターンな表現で乗り切ってしまう傾向があります。
やっぱり語学をマスターしたいなら、単語や熟語、文法を勉強しないと上達はしません。
TOEIC600点台で赴任しましたが、今受験したら700点越えればいいかなというくらいです。

中学の授業で英語を習い始め、なんだかんだ大学で留学、仕事で海外生活と非常に充実した英語の学習環境だったにも関わらず、これほどまで「苦手」だということにむしろ驚きです。

力不足ゆえの苦労

日常会話の大半が苦手な英語だと、100%伝わらない・理解できないことがもどかしくて悔しい、そして疲れてきてしまいました。
だから英語を話すときは「仕事モード」と割り切って、休みの日は正直なところ英語を聞きたくもないです。

さらにこうなると、逆に日本語の方も怪しくなってきます。
文法的におかしくなることはまずありませんが、単語が行方不明になるのです。
「えーっと...あの......」
とぴったりピースがはまる言葉が出てこなくなります。
久々に友人に会ったとき、名前は覚えているのに昔なんて呼んでたか分からなくなる感覚に近いです。
まあ日本語は話すようになればすぐ元に戻るでしょう。

英語に関しては期待を下回る結果になりましたが、本来の目的ではないので仕方ありません。
語学を力を入れたければしっかり勉強しましょう。

身に付いたこと

残念ながら英語はあまり身に付いてませんが、得たものもたくさんあります。

本業の仕事スキル

職種にもよりますが海外の駐在員というのは少なからず業務範囲も広がり、求められる技量も多くなります。
逃げ場のない環境で荒波を乗り越えれば否が応でも実力はついてくるはずです

広がった業務の部分は、「実は専門分野じゃないんですよ」とは言っていられず、なんなら自分が「専門家」として周囲に説明したり意見したりしなきゃいけない場面もあるので、そこはある程度ハッタリが必要かなと思ってます。

対人関係能力

駐在先の事業所の社長、上司、他の駐在員、現地のスタッフ、日本国内のスタッフ、それぞれに対して一貫した対応では物事がうまく進まないのが大変なところで、このために精神をすり減らしていることも事実です。
「嘘も方便」とはよく言ったもので、物事の要点をとらえ、言語の壁を乗り越え、時差を乗り越え、各方面に対して言い訳を用意することが必要なスキルになってきます。

特に現地のスタッフと駐在員は、非常にナイーブで複雑な関係性であることは想像できるでしょう。
残念なことに私の拙い英語力はあまり役に立たないので、文字通りで顔色で相手の機嫌を伺う能力が発達した気がします。
非言語コミュニケーションの大切さを痛感しました。

新しい価値観

聞き飽きた表現だし、自分に酔っているタイプのひとが使う言葉のような気がして、若干気恥ずかしさはありますが、思い切って「新しい価値観」としてみました。

外国に住んでたことによって、言動のどうでもいい一部分が置き換わってしまったひとのことをよく「○○かぶれ」と言います。
でもこれでは何の成長もありませんよね?
本を読むと視野が広がることを表した有名な風刺画がありますが、経験というのも同じだと思います。(この風刺画には真実がわかると絶望するという皮肉も含まれてますが)

アメリカが正しいとか日本が正しいとかではなくて、
「こんな考え方や働き方、生き方もあるのかあ」
と、視野を広げることによって自分の選択肢も広がるんじゃないかと。

類は友よ呼ぶと言うように、普通に生活して大人になったら、周りにはやっぱり同じようなタイプの人間が集まるものです。
アメリカに赴任してガラッと生活が変わり、関わる人が変わり、いろんな刺激を受けることで自分を見つめ直す良い機会になりました。

経済感覚

身近なところだと給料です。
給料のうち生活費にあたる部分はアメリカドルで支払われるのですが、支給額は元の金額に物価と為替を掛け合わせたものになります。
しかしこの物価と為替というのは年に1度しか更新されませんし、もちろん銀行の預金はこれによって額が増えたり減ったりはしません。

つまり、汗水流して働いて得た給料が常に変動し続け、損したり得したりを繰り返しているということです。
気が気ではありません。

特に物価に関しては日頃の食事やお買物でも実感することができます。
給料の計算に使われる「生計費指数」によると、日本の物価に対してアメリカは地域によって差はあるものの40~70%ほど高いというデータがあります。

「ビッグマック指数」としてよく物価の指標になる、マクドナルドのビッグマック(バリューセット、税込)の値段を例にすると、

アメリカ:8.20 ドル × 108.61 円/ドル ≒ 891円
日本:690円

⇒(891円 - 690円)/ 690円 = +29%

今は為替の影響もあって3割増しくらいの値段ですが、もっと都会に行くと更に物価が上がります。

「こんなにモノの値段が高かったら、毎日の生活が経済的に苦しくなっちゃう...」
とはならないのはなぜか?
給料も高いからです。(もちろん格差はありますが)

一般論からは少しずれますが、私と同じ職場で同じ仕事をしているアメリカ人の同僚は私よりも給料が高いです。
私のように、日系の企業に駐在員として働いている場合でも、現地の従業員より給料が低いということは珍しくないという話を聞きました。
他にも仕事の中で、お金の流れが速いと感じることは多々あります。

消費増税、GDP、経済成長などなどお金に関するニュースをテレビやネットで見ても、日本で暮らしていた時は右から左に流していましたが、
「あれっ、日本って...」というのがきっかけで関心を持つようになりました。

こういった考え方や習慣の変化も海外生活で得たものの一つです。

心と体の変化

徐々に心の余裕がなくなってきた

生活の中でネットニュースが最大の情報源となります。
経済のニュースから、事件、事故、芸能人のくだらない不祥事まで、たくさんの記事を斜め読みしていますが、目に留まるのはなぜかネガティブなニュースばかり...

自分なりの考えが生まれると人の意見も知りたくなるもので、ニュースのコメント欄を何十件も読むことがあります。
大きくなっていく怒りや悲しみの感情とは裏腹に、何もできない自分への無力感、そしてその入り組んだ感情を話す相手もいないので、心の中でどんどん煮詰まってどす黒く変わっていく感覚です。

別に見なければいいのに、わざわざ何時間もかけて読み込んで画面を前にイライラしている自分に気づいたとき、心の余裕がないんだなと実感しました。

発散する機会がない

日本で暮らしていた時は実家を離れ友人とも会う機会は減っていましたが、それでも2~3ヶ月に1度くらいは飲みに行って仕事と関係ない話しで盛り上がっていたものです。
でも今はそういうわけにはいかず、ひとりで耐え忍ぶことしかできません。

このブログもそうですが、ひとりでできる自分なりのリフレッシュ方法を探して色々チャレンジしています。
でもなかなか熱中できるものに巡り合えず、ただ漠然と時間が過ぎていくようです。
自分自身をコントロールするのってとても難しいんですね...

愚痴を聞いたり相談に乗ってくれる相手というのはとても大事。
一緒にそばにいて支え合ってくれる家族がいるならまだしも、独り身だったたら世界中どこにでも持っていける趣味の一つや二つないと、逞しく海外生活を謳歌するのは難しいかもしれませんね。

体の不調

元々目が悪かった私は以前から肩こりに悩まされていましたが、ここ最近ひどくなって頭痛も引き起こすようになってきました。
時間的にはよく眠っているのに眠りが浅く、日中異常に眠くなる。
肌荒れが気になり始め、特に手湿疹はひどい状態です。
つい先日は軽いめまいと吐き気を伴うひどい頭痛と、全身からにじみ出る脂汗で仕事が手につかなくなり会社を早退してきました。

これはまさかカタカナ4文字のアレの影響か...?
そんなことは考えても仕方ないので気づかないふりをしています。

徹夜しても翌日余裕で乗り切れた20代前半と比べると、年齢的にも体力の衰えを感じる時期に差し掛かってきました。
でも、これから働き盛りのサラリーマンは泣き言なんて言ってられません。
猪突猛進で歯を食いしばり頑張るのみです!

所感

高校時代は地獄のような部活動に励み、大学は英語もしゃべれないのにアメリカの大学に行き、今思うとあの頃に戻ってやり直したいなんて1ミリも思わないようなチャレンジングな人生を歩んできました。
そんな私にとっては、とても刺激的でタフなこの経験はある意味日常であり、ひとつのクエストを主人公の勇者となって進んでいるような感覚でもあります。

だけど気づいたら30歳目前で人生のカウントダウンも始まってるんじゃないかと感じる今日この頃ですが、その分やりたいこともぼんやり広がってきました。
「これからどうするんだオレ!?」
という心境です。

会社の同期や中・高の友人たちも結婚したり、子供が生まれたり、どんどん状況が変化している時期でもあります。
そんな大事な期間を仕事に捧げたからには、大きなリターンを得たい!
でもこの経験は経験であって、実績でも評価でもありません。
もし会社を離れることになるなら、本当に形の残らない物になってしまいます。

今後の人生に生かせるかどうかは自分次第。
年を取ったとき、ただの昔話にはしたくない。

20代という比較的若い年齢で海外に住んでお仕事をするのは、とても価値のあることだと思いますが、その分消耗することも多いです。
私みたいな会社員の場合は選択肢なんてないかもしれませんが、もし海外赴任の道を選ぶならそれなりの覚悟をもって挑んでほしいと思います。

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