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アメリカ人管理職が日系企業を辞めた理由

2020年9月11日

私の上司はアメリカにある日系企業に勤める現地採用の管理職という立場でしたが、そんな彼が先日会社を退職しました。
なぜ辞めるという決断に至ったのか?
その理由を、普段から会話を重ねる中で感じたことを元に考察しました。

これは決して珍しいことてばなく、日系企業の海外拠点では同じ悩みを抱えている人も多いはずです。
一つでも思い当たるなら、大切な人材を守るためにも改善が必要かもしれません。

出世のチャンスが極めて小さい

組織体系としては、日本の本社からの駐在員である社長の下に位置していました。
つまり社長が常に日本から入れ替わりで赴任して来る限り、出世はないということです。

この状況は20年以上前の創業時から続いているそうで、そう簡単には変わらないことは容易に想像できます。
やはり人は成長する生き物ですので、ステップアップするモチベーションがなければ、辞める理由に十分なり得ます。

裁量が小さい

海外拠点と言えど「現地で好きなようにやってくれ」ということはなく、日本の本社が統括する場合が多いんじゃないでしょうか。
うちでは海外拠点を含めたグループ全体での利益を重要視するため、「他が大変だからもっと売り上げ増やしてくれ、支出を減らしてくれ」という指示は頻繁にありました。

しかも本社の指示は一度日本人駐在員で受けて、現地のマネージャー陣には相談もしないようなこともあります。
(駐在員宛に送られてきた情報を上司に上げるなんてこともしばしば)

したがって大きな経営判断に関わることはなく、「裁量の大きい仕事」とは到底言えない状況でした。

上司(社長)と意見が合わない

ヒトとヒトですから性格の上で合う合わないというのは仕方ないのですが、一番の要因は任期にあります。

現地採用である上司は10年以上勤めていましたが、その間に社長は3回変わりました。
社長の任期は3〜5年くらいですので在任中のことを優先して、それ以降のことはどうしても後回しになってしまうようです。

それに関して何度も衝突してきた過去があり、すでに諦めモードになっていたのを私は知っています。

日本的な仕事が合わない

これにはまさにうんざりという感じでした。
代表的なものだと「稟議」が挙げられます。
「意思決定の遅さ」の主要因であり、常に変化し続ける状況において明らかに足かせになっている場面が何度もありました。

物事が進まないもどかしさは他にも数多くあり、根本的な問題は「ゼロリスク」にあると思います。
何か問題があればリスクを極限まで小さくしないと次に進めない症候群のせいで、機会損失をしてしまうのは上司にとって大きなストレスだったのでしょう。

この感覚の違いについては以下の記事でも言及していますのでご覧ください。

反省をしないアメリカ人と結果を出さない日本人

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